土地エリアの決め方

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コマル君
コマル君

土地探しを始めるにしても、自分がどこのエリアを探せば良いのかわからなくてコマルよ~

そうですよね、まずはご自分にとっての「良い土地」とはどこなのかエリアから決めていきましょう。

土地エリアを決めるための生活範囲をまとまる

まずは地図の準備

まずはネットのグーグルマップなどや、お手持ちの地図でもいいので、自分の活動域を考える広さの地図を準備します

仕事の異動や、現在住んでいる地域と別の場所に建築を考えている場合は異動先の土地エリアの地図を準備します。

とりあえず、例として私が住んでいるエリアで紹介してきます。

<名古屋市周辺の地図>

この地図はgoogle map を利用しています。

電車を利用する方はできれば沿線がわかる範囲を利用する方は高速やバイパス、幹線道路がわかるくらいの範囲。

このくらいのエリアの地図を作りましょう。

職場、実家、変えられない固定の場所はどこか?

その後、地図の中に自分にとって重要で変えられない固定の場所を書き込んでいきます。つまり、職場や実家、毎週通っている習い事などの場所です。

書き込めないくらい遠い場所や、固定ではない場所は考える必要がないと割り切ります。

書き込んでいくとこのようになります。

この地図はgoogle map を利用しています。

生活範囲がどの場所になるのか?または、今後どの場所であればよいか?

の移動手段は車。嫁は電車がメインです。

私は次男ということもあり、実家の状況を考える必要もありません。対して、嫁さんは一人っ子のためどちらかというと嫁さん側の実家の通いやすさを重視したいです。

この地図はgoogle map を利用しています。

電車を考えると水色の沿線
の幹線道路を考えると黄色の沿線
ここまで書き込むとエリアが少しずつ見えてくるでしょう。

ちなみに子供の保育園や小学校の状況については、それぞれの考え方がありますが固定しなければならない場所とは考えていません。

「この学校にさせたいからこの学区内で」
「転校させたくない」
という要望をお持ちの方の意見も聞いてきましたが、たいていの方は建てたい時期と出会える土地のタイミングが合致しないため最終的に土地エリアを変える結論がほとんどでした。

学区の希望を叶える場合には学区しか優先できなくなります。

学区のみを優先した場合、残念ながら土地を選ぶことは難しくなります。また戸建てではなく、マンションや賃貸のまま暮らしていくという選択肢も考えざるを得なくなるかもしれません。

その場合には、家を建てる時期を子供の卒業などに合わせるということまで考える必要もあるため、土地のことではなく時期のことを考え直す必要があります。

土地エリアの候補を考える

生活範囲をまとめると、自分たちがどこに住むのが効率的なのか見えてくるかと思います。このあとに土地のお金のことを考えるとして、まずはお金ではなく利用価値の部分だけ切り取って考えていきます。

この地図はgoogle map を利用しています。

黒い範囲が候補として考えるエリアとして出てきます。

このエリアの中で、ご自分がどのような環境がよいのか抜き出していきます。
私の場合は、
・駅までの利便性
・帰り道の買い物
・小学校までの距離
この3点を考えました。

自分だけの土地点数表を作る

これから土地を探すにあたって、価値の物差しを作る必要があります。

土地探しのお手伝いをするにあたり、「掘り出し物」を探してほしいというご要望をいただくこともありました。ですが、残念ながら結論は。。。

土地に「掘り出し物」は存在しません。

それは、反対側の目線から考えれば当然です。買う側ではなく、売る側で考えてみてください。買う人がいれば、土地を売る人も存在します。売る人から見れば、エリアの相場感やかかる諸経費があってそこから収入を予測して売り出します。

そのような状況で、自分だけが損するような売り方はしません
だから、「掘り出し物」は存在しません。


ただ、存在するのは「自分にとって」価値の高い土地というのは存在します。重要なのは「自分にとって」という点です。ほかの人としてではなく、「自分に合っている」土地が何なのかというまとめることが重要です。

そのために、自分だけの価値基準をまとめましょう。価値基準をはっきりさせておかないと、いろいろな土地を見て、最終的に「よくわからない」という結論に至ってしまい時間と労力だけがかかってしまいます。

以下に価値基準のサンプルがあります。その中からあなたのご家族が重要だと考える価値基準を拾っていきます。

  • 立地(分譲地がいい、隣家は築年数が近い方がいいなど)
  • 医療・商業施設の充実度
  • 陽当たり
  • 価格(諸費用まで含めて)
  • 土地の広さ(○○ ~ ○○坪)
  • 周辺環境(戸建てが多い地域なのかゆったりとした環境なのか)
  • 安全性(前面道路の車通りが多かったり夜暗かったりすると嫌など)
  • 風通し
  • 土地の形状(どういう形状が嫌で何が良いのか)
  • 駅やインターが近い
  • 前面道路の車通り
  • 角地(角地が良い理由も考える)
  • 周りの家の近さ(離れていること)
  • 学校の近く(小学校?中学校?その中でも優先順位は?)

あくまでサンプルなので、ひとそれぞれの価値観によって変わってくると思います。あなたが考える価値基準がない場合は上記の中に付け足して考えてください。価値基準を10個程度抜き出して、点数表を作っていきます。

以下から土地点数表のフォーマットをダウンロードしてください。

<土地点数表の使い方>
①判断するための基準を10個抜き出す
②抜き出した基準の満点の割り振りを合計点数が100点になるように振り分ける
③プラン(間取り)を考えてみたい点数の基準を設定します。
④土地を買ってもよいという点数の基準を設定します。

<土地の買い方>ブログカード

最低限の土地のルールを知る

土地のルールや建築規制はたくさんあります。

そのために宅建士や建築士がいるくらいなので、全部を把握するのは残念ながら難しいです。ですが、土地候補として考える際の最低限の土地のルールだけ紹介しておきます。

【13個の用途地域】土地の種類

大前提ですが、土地には種類があります
「たくさん畑があるんだから、家を建てることもできるでしょ」
と思うかもしれませんが、畑の土地を買ったからといって勝手に家を建てることはできません。

ア:市街化区域
→基本的に建物を建てて良いと決まっているエリア。13個の分類に分かれていて、どのような建物を建ててよいかが決まっています。

イ:市街化調整区域
→基本的に建物を建ててはいけないと決まっているエリア。エリアが決められる前から家が建っている(既存宅地)場所なら建替えてもOKというルールや、農家さんだけは特別に建ててもいいよという、特別な要件がないと家を建てることはできません。

市町村によって決められているエリアのことを「都市計画マップ」というものを見れば、どこが何のエリアになっているかがわかります。現在はインターネットからの画面上で確認できるようになっています。

「自分が住んでいる市町村名 + 都市計画マップ」で検索すれば出てきます。


私が住んでいるところは、
「名古屋市 都市計画マップ」
であったり、
「稲沢市 都市計画マップ」
で、出てきます。

見るべき点は、


「市街化区域」がどこからどこまでで、
以下の13つの用途地域のどこに当てはまっているか

という点になります。

①第一種低層住居専用地域

基本的には2階建の高さの住宅しか建築することができない地域です。要件を満たせば3階建の建築も可能ですが、厳しい制限がかかります。

 規制が厳しい区域のため、建ぺい率や容積率、斜線制限といった建築の専門家と考えなければならないことが多いです。自分にとっても制限が厳しいエリアのため、周りのお家も厳しい制限を守っています。店舗関係の建築はできないエリアです。

そのため、ぎゅうぎゅうに詰めた家づくりなどはできない地域です。
静かな閑静な住宅街で治安が良い傾向があるため、ファミリー層に人気があります。

②第二種低層住居専用地域

①の第一種低層住居専用地域と似たような建物しか建てることはできませんが、小規模の店舗を建築することができます。

③第一種中高層住居専用地域

住居用のマンションやアパートが建築できる地域です。比較的高い建物が建てられる地域で、1.2階部分のみに規模の小さいテナントなどもOKな地域です。


ただし、規模の大きいテナント系はダメなのでメインは総合住宅になります

④第二種中高層住居専用地域

③の第一種中高層住居専用地域と似たような地域ですが、規模の大きな店舗の建設が可能な地域です。

この地域になると、スーパーなどの建築も可能となるため近所に大きい店舗ができることがあります。

良い点は買い物が便利になるメリットもありますが、悪い点は人通りが多くなったり、多少治安が悪化したりというデメリットがでてきます。

また、③の第一種中高層住居専用地域も④の第二種中高層住居専用地域も隣に高い建物が建つ可能性があるという点を忘れていはいけません。

南側の日当たりが将来的に奪われるというリスクがある地域です。現状、南側の敷地が開けている場合も、将来アパートやマンションが建築されても日当たりが確保されるようにできれば南側の距離をしっかり取りたい地域であることを忘れてはいけません。

⑤第一種住居地域

④までは住居「専用」地域だったのに対し、「専用」という言葉がなくなります。

住居以外の施設や高い建物、ホテルやテナントビルなどの建築も可能となります。もちろん、戸建ての建築も可能な範囲です。

⑤第一種住居地域のメリットは近隣に商業施設が集まっているため、買い出しがよりしやすいです。

その反面、デメリットは高い建物が多くなるため2階建ての戸建てで日当たりを良くすることは難しくなります。戸建てを考えるのであれば、2階にリビングダイニングを設けるなど間取りから工夫する必要があります。

⑥第二種住居地域

建築できる種類などは⑤第一種住居地域とほぼ同じです。ですが、この地域からパチンコ屋やボーリング場などの娯楽施設の建築が可能となります。また、幹線道路付近に指定されていることも多いため、利便性が良いというメリットがあります。

ですが、反面デメリットとしてはパチンコ屋などもできるため治安が一段と悪くなりやすいという面があります。大きい事務所や人が集まる環境ができやすいため、落ち着いた住居を求めている方にとっては不向きな地域です。

治安や環境よりも、利便性や買い物を優先したい方には向いている立地になります。

 

⑦準住居地域

住居地域とは名前がついていますが、ガソリンスタンドや150㎡未満の小さい映画館、カーディーラー店舗などを建築できる地域です。通常は幹線道路付近に指定されます。国道や県道に指定される道路脇が多く、車通りも多いです。

利便性は格段に良くなりますが、騒音や排気ガスの問題が出てきます。

また、このエリアになると準防火地域(火災の延焼に対して特別な配慮をしないといけない地域)になるところもでてきます。準防火地域だと、戸建ての建築に関しては特別な仕様が必要となるため建築費が割高になる傾向があります。

⑧田園住居地域

平成30年から新しく制定された地域です。

農地と住居のバランスを確保することを目的に制定された地域です。イメージとしては、農地の中に住宅がポツ・ポツと建っているイメージとなる地域です。

建築できる建物は主に3階建て以下の建物で、住居や農家直販の物販店やレストラン、ビニールハウスや500㎡未満の倉庫です。

目的が農地とのバランスを取ることがメインの地域なため、商業施設の建築はできません。そのため、利便性には劣っている地域です。ゆったりとした地域ではありますが、近代的な生活を得ることは難しい地域です。

自然環境を優先したい方、田舎暮らしを求めている方には向いている地域です。

⑨近隣商業地域

駅前の店舗や飲食店が立ち並ぶ地域が近隣商業地域です。目的は住宅地に住んでいる人が商業として用いる地域になるため、住居地域に隣接しているエリアやより大きな幹線道路付近が指定される地域です。

店舗や飲食店、オフィスなどビルも立ち並ぶ地域です。土地の単価的にも戸建てを建てることはほぼ難しい地域で、マンションの建築に向いている地域です。

⑩商業地域

名前の通り、商業のみに重点を置いている地域です。住居という要素はないため戸建て建築にはあまり関係のない地域です。ただ、商業地域に近い住居地域というものも存在するため、注意点だけは覚えておいてほしいです。

商業地域の注意点としては、風俗営業ができる点です。
スナック・キャバクラなど風営法に抵触する店舗も混在するため、商業地域に近い住居地域は治安が悪くなり易く子育てには不向きな立地になりやすいです。

⑪準工業地域

名前は工業地域っぽいですが、どちらかというと住居メインで倉庫や店舗、飲食店も混在している何でもありな地域です。危険性が大きい工場は禁止されているため、「危ない」ということはありません。

しかし、ナイトクラブなどの建築も可能なエリアなため、⑩商業地域と同様に治安は良くない傾向があります。

⑫工業地域

名前の通り、工業のために地域で危険性が大きい工場なども建築可能です。住居も建築可能ですが、主に工業地域で働く方の社員寮やスーパーなどがメインです。

危険性がある地域のため、学校やホテルなど「安心」が求められる施設はこの地域に建築されることはありません。規制も非常に緩い地域で、どのような建物も建てやすい地域ですが周囲も同じです。

危険な工場が隣に建てられても文句は言えない地域のため、一般的な戸建てには不向きです。

⑬工業専用地域

沿岸沿いに建築される石油コンビナート地域など、住居も建築できない地域です。工業のみの地域のため、戸建建築には関係のない地域です。

土地エリアをまとめて、土地探しへ

具体的な土地探しに向かう前の土地エリアの選定と準備について、このページではまとめてきました。

①生活範囲をまとめて土地エリア候補を決める

②自分だけの価値を反映した「土地点数表」を作る

③最低限の土地ルールを知って、土地情報を理解できる知識を得る

そして、いよいよ具体的な土地探しへ進んでいきましょう!

また、自分一人で土地を探すのは不安だという方は価値観の合う会社のプロと一緒に土地探しを進めることも可能です。

住宅会社に土地探しをまかせることで、プロの提案にて比較検討する方法もありますので、上記でまとめた内容 「土地エリア候補」と「土地点数基準」をプロに伝えて土地探しを進めていく方法もおすすめです。