住宅会社の分類も決めたし、候補の順番も決めたら、いよいよ住宅展示場!
どのように準備すればいいのかがわからなくて困る。。。
事前情報なしでは、比較することができません。
行く前に情報をまとめてから行きましょう!
住宅展示場へ行くための3つの準備と5つの持ち物
住宅展示場に行く前に、
・会社の分類分け
・会社の優先順位を決定する必要があります。
まだ決めていない方はこちらを先に行ってから、住宅展示場に行くための準備を行ってください。
【準備①】住宅会社の事前情報の確認
これから行く住宅会社がもしかすると今後のお家づくりを担当する会社になるかもしれません。
その場合、会社の体力 つまりは経営力を知っておくことは非常に重要です。
インターネットで
「○○(会社名) 会社情報」
と検索すると、ある程度の情報は出てきます。
知っておかなければならないのは、
①事業が住宅部門以外にあるのか?
②会社情報を公表しているか?
の2点です。
なぜこの2点かというと、
今後、少子高齢化と国のストック事業強化の流れで新築戸建部門は衰退の一途になっていきます。
その時代の中で、もし住宅部門しか行っていない会社であれば、
経営を成り立たせることと長期的な経営の確認をしなければならないからです。
いくら長期の保証を謳っていても、会社自体が潰れてしまうと
保証うんぬん言っている場合ではなくなってしまいます。
そして、経営が成り立たなくなりそうな会社は
事実をひた隠しにして資金があるように見せることがあります。
そのため、IR情報の掲示や決算情報の公表
というのは個人的には非常に重要なものだと考えています。
小規模会社で情報を公開するコストパフォーマンスが見合わない会社ならわかりますが、
中規模・大規模で上場していない
または会社情報を公開していない会社は隠蔽体質である会社が疑われます。
隠ぺい体質の会社の場合、会社の体力がわからないので
信用度合いが限りなく低くなります。
これから見に行こうとしている会社に
長期的に存続する安心感
がないとすると、
保証やアフターサービスの説得力はないもの
と考えてよいことになります。
【準備②】カタログのわからない用語を抜き出し
住宅会社のカタログには、普通のことをさも良いように書いてあったり
誇張したりする表現が多いです。
ある程度の知識を持って見てみると当たり前のことを、さもすごいことにように書いています。
住宅営業が作る個人的な資料は都合の良いことしか書いていないなど、
業界上当たり前の世界です。
ですが、初めて建築用語に触れる人にとってはわからないことが多いため、
その資料の判断をすることは難しいです。
そのため、カタログの中に書いてある
よくわからない単語を質問事項として抜き出し
ておきます。
メモ帳でもいいですし、何か一冊家づくりノートみたいのを作るのもよいでしょう。
また、質問事項の後には回答を書き込みたいので、あえて回答を書くスペースを空けておきます。
一通り届いたカタログの中から、このわからない用語の列挙を準備してください。
【準備③】持ち物の確認
住宅展示場に行く際に手ぶらで行くのではなく、正しい情報収集のために持ち物も準備してください。
・メジャー(3メートルくらい測れるもの)
・【準備②】で準備したカタログとノート
・自分のスケジュール帳
・写真機能付きの携帯電話かカメラ
・三角スケール(縮尺に合わせて大きさを確認する定規)
この5点は準備してください。
・メジャー
前提ですが、住宅展示場は「見せる」ことを目的として建てられています。
そのため展示場と同じような間取りを建てても暮らしやすい家にはなりません。
設計している建築士もそのように【見せる】ことを目的として設計しています。
では、展示場で何を見るかというと
一部分の間取りや、収納の組み合わせです。
自分で見て参考にしたい、一部分をメジャーで測ってメモしていきます。
具体的には、
「リビングには横幅〇〇センチくらいのソファーを置きたいから、
横幅は何センチ以上のリビングにしたい」
という内容や、
「キッチンには子供と一緒に立ちたいから、
キッチンのコンロ前の幅を何センチ以上にはしたい」
という内容です。
この際に重要なのは、
なぜそうしたいのかという理由をしっかり書く
ことです。
なんとなくこのようにしたいという要望はきれいな見た目や内装に
騙されていることが多いです。
きちんとした「〇〇だから〇〇したい」というように、
理由を明確化します。
理由がない要望には意味がないからです。
・【準備②】で利用したカタログとノート
目を通したカタログと質問用にまとめたノートを
リュックの中にでも入れておきます。
気をつけていただきたいのは、いきなりカタログを持っていることや、
ノートを持っていることをアピールしないようにしてください。
カタログを持って入っていくと営業の心理としては
良いお客さんが来てくれたと誤解を与えかねません。
カタログを見てきたことと、ノートに質問事項をまとめていることを明かしていいのは、
住宅営業が展示場を案内し終わって、席についたあとです。
この人になら質問してもいいかなとご夫婦で合格点が取れた時に初めて、
質問ノートを広げてください。
この時点で合格点が得られないようであれば、会社と縁がなかったことになるか、
紹介会社に依頼して担当を変更してもらうかの2択です。
さすがに面と向かって、「あなたは合格点ではないので、担当を変えてください」
と言える方は少ないでしょう。
そのための紹介制度なので、使える制度は利用しましょう。
・自分のスケジュール帳
良い住宅営業と出会えた場合に、
次回は個別の間取りの制作を依頼することになります。
その場合、自分のスケジュールがわからないと調整できないため
念の為スケジュール帳を持っていきます。
・写真機能付きの携帯電話かカメラ
気に入った一部分の写真を撮るためのものです。
大抵の場合、展示場は写真撮影は制限されておりませんが
念のため撮影してよいか確認してください。
会社情報や資料のポスターなどはさすがにダメなので、
その点は社会的な概念で自重しましょう。
・三角スケール(縮尺に合わせて大きさを確認する定規)
日常生活ではあまり利用しない物です。
以下のようなものです。
世の中にはいろいろな図面や間取りがありますが、その中で最も信用できない間取りは縮尺が出ていない間取りです。
縮尺とは1/100というように、その図面の実際の大きさを表す重要な数字です。
いろいろな住宅関係のチラシを私は見ますが、縮尺が書かれていないため、さも大きな間取りのように見せたり、3人掛けのソファーがはいらないような寸法なのに、3人掛けのソファーの絵を描いていたりと、見ていられないような間取りを見かけます。
展示場へせっかく行き、自分の気に入った部分を見つけた時には気に入った部分の間取りがどのような平面図で書かれているのか確認しましょう。
営業に「ここの展示場の図面を見せてください」と言えば提出してもらえます。
もし、展示場の図面を用意していない会社は、設計に無頓着な会社だと言わざるを得ません。
実際の家と間取りを見比べるためにも展示場の案内が終わったあとに、図面を見せてもらい縮尺の感覚も含めて図面を見ることに慣れておきましょう。
住宅展示場で見るべき3つのポイントと気を付ける内容
住宅展示場に入ると、まず案内役の方が中に案内してくれます。
その後に住宅営業が出てきて、挨拶した後に展示場の中の案内が始まります。
【ポイント①】住宅を見極める
住宅展示場に行くと、まず目につくのは
広々とした玄関やきれいな内装
などが目につくことでしょう。
ですが、そのような見た目には
イベント会場や集客を想定しているつくりであることを忘れてはいけません。
住宅展示場は「人に見せる」ことを想定している作りです。
そのような「見せる」ことだけを趣旨にしている部分と、
実生活で利用できる部分を見極めなければなりません。
また、住宅営業がよく説明で利用する
「これは標準仕様です」
という言葉に注意が必要です。
家づくりが初めての人にとって、
「標準仕様」=どれを選んでも基準から金額が変わらない
という認識を持つと思います。
「標準仕様」は最初からついているもの、オプションは選べるものという認識が一般的だと思います。
ですが、「標準仕様」か「オプション」かは選べるという意味であって、
もちろん部材や工賃は選んだものによって変わります。
そのため、「標準仕様です」は全く意味のない説明です。
そりゃ、世の中にあるものだったら選べて当然です。
中にはオリジナル設備しか選べないという会社もあるようですが。。。
区別しなければならないのは、特別に設計から対応した部材なのかどうかです。
一般的に、「特別設計」や「個別設計」と呼ばれるものです。
このような物は部材の費用以外に、
特別に設計する費用もあるので割高になっている物と言えます。
そのため、質問する内容としては、
「これは特別に設計しているものですか?」
という質問や
「個別に設計しているものですか?」
という質問で割高になるのかどうかの判断ができます。
住宅展示場には特別設計が多いため、
自分たちの家にもできると勘違いされる方もいますが、
実は特別設計で大幅に割増になるケースというのも珍しくありません。
そのため、「特別設計しているのか?」という点を見極めながら案内を受けましょう。
【ポイント②】住宅営業が信頼できるかどうかを見極める
住宅展示場に行くこと=住宅営業探しと同じ意味と考えてください。
住宅営業が信頼できるかどうかは長くなってしまうため、別のページにまとめています。
結論は
「あなたの会社のメリットはなんですか?」
という質問に対して、なんと答えるかだけです。
ここでメリットしか言わない営業は残念ながらふるいに掛けられます。
【見極め方1】メリットだけでなくデメリットも伝えてくれるかどうか
【見極め方2】話を聞いてくれるかどうか
【見極め方3】「気付き」を与えてくれるかどうか
この見極め方3点を思い出してください。
【ポイント③】個別の間取りの作成を依頼するかどうか判断する
見事上記の質問に対して、デメリットも答える営業がいたら、
次は自分のイメージを具現化する
間取りの作成をお願いするかどうか判断
することになります。
「間取りの作成を依頼する」ことは「本格的な見積もりをお願いする」
ことと同じことです。
間取りだけ見たいのであれば、
わざわざ展示場に行って個人的な要望を伝えて間取りを作ってもらう必要はありません。
間取りだけであれば以下のページを利用しましょう。
展示場を一通り廻った後は、
テーブルに誘導されて飲み物などが準備される流れになります。
飲み物の準備のために営業が席を外すタイミング
が
ご夫婦の意見を確認するタイミング
になります。
案内してくれた営業に間取りの作成をお願いするのかどうかを判断してください。
この時点で判断が難しいのであれば、
一度保留にしてカタログとノートの質問を行い合格点の判断を行います。
判断に迷う状況や、ご夫婦の意見を確認したいのであれば、
飲み物のおかわりをお願いするタイミングや、
カタログを取りに行かせて二度目のチャンスを作りだす
こともひとつの方法です。
【気を付けよう】営業側の視点も考えてみる
ここまでは見る側に関することを題材にしていますが、忘れてはならないのは逆の視点も忘れないでください。
どういうことかというと、住宅営業側もあなたのことを見ています。
買い物をする立場なんだから、売り手が書い手を選ぶなんておかしいって思うかもしれませんが、それには理由があります。
注文住宅というのは普通の買い物とは違い、「請負契約」と呼ばれるものです。
請負とは、書い手も売り手もどちらからでも意見の合致ができない時は契約を取りやめることができるものです。
もちろん営業という立場上、ノルマや成績があるので、仕事と割り切って営業活動は行っています。
ですがあまりにも度を越した相手に対しては、自分から担当を変わることもできます。
自分たちが相手を見極めているということは、その反対も行われていることになるため、住宅営業のことも考えた行動をするようにしましょう。
住宅展示場へ行った後に行うこと
住宅展示場もおしゃれで良い雰囲気だったね。
いろんな話も聞けて、ますますいろいろ見たみたくなったよ。
ちょっと待って!忘れてしまう前に、会社のことと展示場のこと、担当する営業のことをまとめておきましょう!
カタログの見返し
住宅展示場で2・3時間話をして、真剣に話をすると精神的にもお疲れになるかと思います。ですが、展示場を見た後にやるべきことがあります。
まずは、カタログを見返すことです。
なぜ、見返すかというと
「住宅営業の説明と、カタログの記載に矛盾点がないかの確認」
が目的になります。
要は
住宅営業の認識とカタログに載っている会社としての認識
がずれていないかの確認です。
特に確認してほしいのは
保証とアフターサービス、
経年劣化に対するメンテナンス対応
についてです。
保証とアフターサービスの確認
保証は60年って言ってたな、どんな場合にも60年になるのか確認しよう
ある会社のカタログの一例です。
60年保証って書いてあるから安心だよね!細かなこと書いてあってよくわからなくて困る。。
残念ながら、細かな部分が注意する部分になります。
詳しく見てみましょう。
青い四角部分を拡大してみます。
初期保証30年?
瑕疵担保責任期間20年?
60年保証ではないの!?
難しい言葉が多いですよね。
上の例では「60年保証」と書いてありますが、あくまでそれは20年目から始まる10年毎の補修にお金を払った場合に延長される保証という意味です。
一般的な「保証」という言葉と、住宅業界で使う保証は意味合いが違いますので注意が必要です。
また、「初期保証30年」と書いてありますが、厳密には「保証20年」と「アフターサービス10年」という意味合いです。
電化製品で例えると、
【「保証」期間中は壊れた場合は交換してもらえます。「アフターサービス」期間中は内容によって直します】
という意味合いになってきます。
つまりアフターサービス期間中は内容によっては直せない
という意味にもなります。
また10年ごとに延長するための、補修するお金を払う必要があります。
60年保証はあくまでお金を払い続けた場合に最長で伸ばすことができる期間。
最初からついてくる保証ではない部分に注意が必要です。
重要なのは、
複雑な保証形態の説明を営業からきちんと聞いているかどうか?です。
住宅業界は
「都合の悪いことは言わない業界」
とも言われています。
ですが、きちんとお客様目線で考えている営業は、都合の悪いデメリットこそきちんと伝えています。あなたの担当はきちんとデメリットを伝えてくれましたか?
【住宅業界の「保証」と「アフターサービス」について】
一例です。
保証期間の部分に注目すると、
「構造保証は40年」、
「防水保証は30年」、
のように書いています。
ですが、注目していただきたいのは赤い丸の部分。
「メンテナンス(有料)が条件となります」
と書いてあります。
つまり、
20年目にお金払ってメンテナンスしないと
防水保証は30年になりませんよ、
という意味ですね。。。
また、青い四角の中には、
【「構造耐力上主要な部分」の初期保証期間30年は、
「雨水侵入を防止する部分」の20年目のメンテナンス(有償)が必要となります】
と書いてあります。。。
言い換えると、
「20年目の補修にお金払わないと、全部の保証は終わり!」
ってことです。
つまり、この会社の実質的な初期保証期間は20年です!
ということを言っています。
カタログに載っているこのようなわかりにくい表現、ほとんどの方が気づきません。
だからこそ、きちんと伝えてくれる人と出会いたいものです。
経年劣化に対するメンテナンスについて
住宅は一度建てたあとの維持するために、補修やメンテナンスが必要です。
そしてそれは材質によってどの程度の期間でメンテナンスが必要かが変わってきます。
メンテナンスの説明は、お客様の今後を考えていない営業側からしたら一番ごまかしたい放題の部分です。
そのため、メンテナンスについての部分をしっかりまとめる必要があります。
いろいろな情報がありますが、 一番信頼できるのは住宅産業協議会が公表しているメンテナンススケジュール表です。
※住宅産業協議会HPより抜粋
https://www.hia-net.gr.jp/60_mente/60_sumai.html
住宅のメンテナンスで最もお金がかかると言われている3大ポイントは
①外壁
②屋根
③バルコニー
です。
せめて、外壁・屋根・バルコニーがどのくらいの期間でメンテナンスが必要で、今の相場でいくらくらいのメンテナンス費用がかかるのかはまとめておきましょう。
そして重要なのは。。。
営業が説明する内容と、上の表で推奨しているメンテナンスが同じになるかどうか!?
ということです。
前提としてですが、「メンテナンスがいらない」ということはあり得ません。
営業がその場しのぎの説明になっていないか、きちんと後のことを考えている期間になっているか、自分で判断できるように情報をまとめ直しましょう。
総評を書く、写真をまとめる
住宅展示場に行ったあとは、今後の比較のためにまとめることが必要です。あとで見直す際に覚えておかなければなりませんので。
<総評のまとめ方>
- 住宅会社の情報
- わからない用語の説明
- 展示場でメモした間取りと写真
- 営業が発言した「保証とアフターサービス」
- カタログを見返して確認した「保証とアフターサービス」
- 全体的な総評(自分が気に入ったかどうか、できれば点数表記できればなお〇)
以上のような点をまとめておけば、後日見返すときにも思い出しやすくなります。
住宅展示場へ行ってみよう【まとめ】
住宅展示場に行く前に、まずは
・会社の分類分け
・会社の優先順位の決定
を、行っておきましょう。
そのために、利用するのは以下の二つです。
一つ目はカタログの請求
二つ目は見積もり依頼です。
二つのサービスを利用して、住宅会社の候補を絞っていきます。
間違っても、
「聞いたことのある会社を全部見に行く」
ということは行わないようにしてくださいね~。
後々の営業攻勢の対応をしなければならなくなりますから。
その後、
①住宅会社の事前情報の確認=事業と経営状況の確認
②カタログのわからない用語の抜き出し=質問事項の確認
③持ち物の準備=展示場を正しく見るための5つの物を準備
してから、住宅展示場へ行きます。
住宅展示場で見るべき点は、
①実際の間取りに活かせる部分を見極めて、
②担当した住宅営業を見極めて、
③個別間取り依頼をするかどうか判断する
という流れになります。
帰ってきたあとは、ゆっくりする前に
・カタログを使って「保証とアフターサービス」
・経年劣化によるメンテナンス
について確認して、総評をまとめるようにしましょう。
楽しかっただけで終わらずに、
今後のためになる住宅展示場の見方が重要です!